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ベランダの雨漏り対策【解答編】
ベランダの雨漏り対策の間違い、お分かりになりましたでしょうか?それでは解答です。画像は柱型の拡大写真です。
このベランダに施されているのは、シート防水です。正しくは合成ゴム系シート防水といいます。画像の赤点線に本来あるべき端末押さえ金物が存在していません。シート防水はゴムシートを接着剤で貼り付ける工法なので、経年後に接着力が低下してくると立上りの端部からめくれが生じやすい弱点があります。これを防止するために、立上り端部には必ず金物押さえが必要なのです。通常はL型アルミ既製品を使います。写真左下に少し写っている金物がそれです。
しかし、この場合の正解は立上り端末部に金物押さえがないことではありません。たとえ赤点線の部分の防水端末部がアルミ金物で押さえてあったとしても、このベランダは雨漏りしてしまいます。
青線は雨水の流れを表しています。ベランダの外壁や柱型の仕上げは磁器タイル張りになっています。磁器タイルは割れない限り雨水を通しませんが、タイル目地は雨水を通すので、実際は磁器タイルの裏側に10%程度の雨水が常に回っているのです。つまり、仮に赤点線の部分の防水端末部がアルミ金物で押さえてあったとしても、雨水は青線のような水みちを通って防水層の裏側に回ってしまいます。
黄色枠で囲んだ部分の立上りシートが膨れていますね。これが防水層の裏側に雨水が回った証拠で、雨水の浸食を受けて接着剤が剥がれたためにシートが膨れてしまったのです。
このような立上り端末部には、通常のL型アルミ金物押さえとするのではなく、水切り納めとするのが正解です。青線のように磁器タイルの裏側を回った雨水が、シート防水層の裏側に回らないように、シート防水層表面に出てくるような雨仕舞いとするのが正しいのです。
そしてもうひとつの正解は、このような形状のベランダにはシート防水は適していないということです。柱型の存在や外壁が磁器タイル仕上げであることから、立上り端末一般部、手摺天端端末、柱型下端部、サッシ下端部と、端末部の雨仕舞いが複雑となってしまうので、端末押さえ金物を必要とする防水層は不向きです。このようなベランダにはウレタンゴム系塗膜防水が最も適しています。
おわかりいただけましたでしょうか?これは編集した画像ではありません。実際の現場の画像です。怖いと思いませんか?このような間違った雨漏り対策が実際の建物に当たり前のように施されているのです。設計を行った者、現場監督、施工した防水業者と職人すべてがこの間違いに気がついていないのです。あるいは正しい雨仕舞いを知らないのかもしれません・・・。もちろんこの物件は雨漏りしています。
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