サイディングの雨漏り対策
直張り工法と通気工法
通気工法は雨漏りしにくい?
これに対し、通気工法の場合はサイディングと防水シートの間に胴縁という木材を打ち、その上からサイディングを張ります。(最近では胴縁金物という優れた部材もあります)
そのためサイディングと防水シートの間に15~16mm程度の空気層ができるので、仮にサイディング目地のシーリングが切れて、サイディングの裏側に雨水が浸入したとしても、この空気層内部で雨水は下方、つまり土台水切りに向かって流れていくので、雨漏りする確立は極めて低くなります。サイディング同士の重ね部分は凹凸(あいじゃくり)になっており、細いゴムのような定型シーリング材が凹凸に挟まれて雨水の浸入を防ぐようになっています。
雨漏り?内部結露?
内部結露の場合は、雨漏りのトラブルのように一部分に起こるトラブルではないので、結局サイディングを全部剥がして胴縁を打ち、外壁を通気工法にやりかえることになりました。
また立地条件がため池のすぐ側であったこともあり、24時間換気システムを導入し、トラブルは解決しました。
外壁を通気工法に変えただけで、室内の体感湿度がまるっきり違ったのには驚きました。それに加えて24時間換気が行われるわけですから、室内は快適そのものです。もちろんお客さまにも快適に過ごせるようになったと大変喜んでいただきました。
サイディングは通気工法を選ぶ
窯業系サイディングボードの構造と役割
雨漏りの謎を解くにはまず、構造がどうなっているのかを知ることが重要です。ここでは窯業系サイディングボードの構造について説明しましょう。サイディング張りの外壁は、約3,000mmx約450mmの規格サイズのサイディングボードの凸と凹をはめ込みながら、下地に対して横張りあるいは縦張りに仕上げます。

ここでサイディング同士の凸と凹(画像の上部と下部)をはめ込む構造をあいじゃくりといいます。これに対し□と□を合わせることを突合せとかドン突きといいます。雨水の進入を防ぐことが目的ですから、このサイディング同士の継ぎ目はあいじゃくりとすることによって、物理的に雨水が浸入しにくくしてあるのです。これがもし突合せだったら簡単に雨水が浸入してしまいますよね。
さらに、ただ単にあいじゃくりとさせるだけでなく凸の部分に定型シーリング材(ひも)が付着しており、凹部にはめ込むとこの定型シーリング材が凹と凸の間で止水パッキンの役割を果たします。(※イラスト中黄色部分)こうしてサイディング同士のつなぎ部分からの雨水の浸入を防ぐ雨漏り対策が施してあるのです。
しかし問題は下地の精度です。サイディングを張る下地が平滑である場合のみ、この定型シーリング材が止水効果を発揮します。下地が平滑でなく湾曲していたりすると、サイディングボードも下地に追従して湾曲してしまい、止水性能を損なってしまうのです。
厳密に言えば、このあいじゃくり部分の止水性能を100%発揮させるために寸分の狂いもなく下地を平滑に仕上げることは不可能です。まっすぐに見えてもやはりどこかが曲がってしまうものです。
サイディングには凹凸あいじゃくり継ぎ目だけでなく、ボード同士の継ぎ目も出来ます。たとえば横張りサイディングの(※図の向きでサイディングを張る)場合は、あいじゃくりはサイディングの上下に出来ますが、左右部分はサイディングとサイディングが突合せとなってしまいます。
そこでこの部分は10mm程度すかして(間隔をあけて)、シーリング目地とするのが一般的です。この場合のシーリング材は現場で練り混ぜて充填するので、どんな目地幅でも対応することが出来ますので、不定形シーリング材といいます。
このようにしてサイディングの雨漏り対策は保たれているわけですが、不定形シーリング材にも耐用年数がありますし、あいじゃくり部の定型シーリング材の止水性能も完璧ではありません。
そこで、外壁をサイディング張りとする建物には、サイディングボードだけに頼らない雨漏り対策が必要になってきます。それが透湿・防水シートであり、通気層になるわけです。
サイディングボード、不定形シーリング材などの露出して雨水を一次的に受ける部材を雨漏り対策上では“一次防水材”あるいは“一次防水”といいます。
雨漏り相談掲示版
建築構造と雨漏り
雨漏りしやすい個所
雨漏り原因の調査・検査
雨漏りの二次被害
間違い探し 解答編
