窯業系サイディングボードの構造と役割
雨漏りの謎を解くにはまず、構造がどうなっているのかを知ることが重要です。ここでは窯業系サイディングボードの構造について説明しましょう。サイディング張りの外壁は、約3,000mmx約450mmの規格サイズのサイディングボードの凸と凹をはめ込みながら、下地に対して横張りあるいは縦張りに仕上げます。

ここでサイディング同士の凸と凹(画像の上部と下部)をはめ込む構造をあいじゃくりといいます。これに対し□と□を合わせることを突合せとかドン突きといいます。雨水の進入を防ぐことが目的ですから、このサイディング同士の継ぎ目はあいじゃくりとすることによって、物理的に雨水が浸入しにくくしてあるのです。これがもし突合せだったら簡単に雨水が浸入してしまいますよね。
さらに、ただ単にあいじゃくりとさせるだけでなく凸の部分に定型シーリング材(ひも)が付着しており、凹部にはめ込むとこの定型シーリング材が凹と凸の間で止水パッキンの役割を果たします。(※イラスト中黄色部分)こうしてサイディング同士のつなぎ部分からの雨水の浸入を防ぐ雨漏り対策が施してあるのです。
しかし問題は下地の精度です。サイディングを張る下地が平滑である場合のみ、この定型シーリング材が止水効果を発揮します。下地が平滑でなく湾曲していたりすると、サイディングボードも下地に追従して湾曲してしまい、止水性能を損なってしまうのです。
厳密に言えば、このあいじゃくり部分の止水性能を100%発揮させるために寸分の狂いもなく下地を平滑に仕上げることは不可能です。まっすぐに見えてもやはりどこかが曲がってしまうものです。
サイディングには凹凸あいじゃくり継ぎ目だけでなく、ボード同士の継ぎ目も出来ます。たとえば横張りサイディングの(※図の向きでサイディングを張る)場合は、あいじゃくりはサイディングの上下に出来ますが、左右部分はサイディングとサイディングが突合せとなってしまいます。
そこでこの部分は10mm程度すかして(間隔をあけて)、シーリング目地とするのが一般的です。この場合のシーリング材は現場で練り混ぜて充填するので、どんな目地幅でも対応することが出来ますので、不定形シーリング材といいます。
このようにしてサイディングの雨漏り対策は保たれているわけですが、不定形シーリング材にも耐用年数がありますし、あいじゃくり部の定型シーリング材の止水性能も完璧ではありません。
そこで、外壁をサイディング張りとする建物には、サイディングボードだけに頼らない雨漏り対策が必要になってきます。それが透湿・防水シートであり、通気層になるわけです。
サイディングボード、不定形シーリング材などの露出して雨水を一次的に受ける部材を雨漏り対策上では“一次防水材”あるいは“一次防水”といいます。
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