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かといって、住宅の窓をすべてFIXにするわけにはいきません。ですから雨戸があるわけです。
雨戸はデザイン上嫌われることが多いですが、雨戸の役割には、防犯対策、ガラスの割れ対策、そして雨漏り対策の三つがあります。これらのことから言えるのは、住宅にとってサッシは非常に弱いものであると言えると思います。
また、アルミ製の雨戸やシャッターを取り付けているのにもかかわらず雨漏りするようなケースは、雨漏りの原因はサッシではなく、外壁にあることが多いのです。台風時の雨漏り対策は?と言えば、雨戸を取り付けることと答えますが、取り付け方や、外壁の雨漏り対策構造と同調させるように納めなければなりません。
最近は、後付けで施工でき、光や風を通す意匠性にも優れたアコーディオンタイプの雨戸もありますので、雨戸の良さが今後は見直されてくるのではないかと思います。
雨漏り対策は業者選びの段階から始まっています。
家を建てるときには散水試験をしてもらえるかどうか業者の方に必ず確認してください。
工務店さんは是非散水試験を行って下さい。そしてこれから家を建てられる方は散水試験を行ってもらうように頼んでください。そしてもし時間が許されるならその場に立ち会ってください。
ベランダを用意されたら雨漏りしないようにきちんと防水施工をする。たとえそれが灰皿であってもです。それがプロの防水職人というものです。
設計やデザインは設計士に、オール電化は電化住宅アドバイザーに、雨漏り対策は雨漏り対策コンサルタントに、というようなことが建築業界で常識化するまでには、まだまだ時間がかかると思います。
設計士や工務店の現場監督が雨漏りバスターの知識を望んでくるかどうかというよりも、一般の方が直接訪ねて来られる方が現実性があると思うのです。
陸屋根というのは、主にコンクリート造などのビルや集合住宅などに多く見られる屋根構造ですが、住宅デザインの洋風化・シンプル化にともない、一般の戸建て住宅などにも陸屋根構造が多く見られるようになってきました。
陸屋根は屋根構造がフラットに近いので、設備機器を設置したり、庭が設けられない場合や土地を有効活用するために屋上として利用できる利点があります。
また、昨今では地球温暖化抑止に貢献する屋上緑化システムを採用することで省エネを実現することもできる、未来都市型の屋根構造として注目されています。
しかし、陸屋根は傾斜が少ないため、勾配屋根に比べると多くの雨水を受け止めることになります。従って、雨水をどのように排出していくかについて事前にしっかりと検討し、万全な防水対策が必要になります。
これに対し、通気工法の場合はサイディングと防水シートの間に胴縁という木材を打ち、その上からサイディングを張ります。(最近では胴縁金物という優れた部材もあります)
そのためサイディングと防水シートの間に15~16mm程度の空気層ができるので、仮にサイディング目地のシーリングが切れて、サイディングの裏側に雨水が浸入したとしても、この空気層内部で雨水は下方、つまり土台水切りに向かって流れていくので、雨漏りする確立は極めて低くなります。サイディング同士の重ね部分は凹凸(あいじゃくり)になっており、細いゴムのような定型シーリング材が凹凸に挟まれて雨水の浸入を防ぐようになっています。
内部結露の場合は、雨漏りのトラブルのように一部分に起こるトラブルではないので、結局サイディングを全部剥がして胴縁を打ち、外壁を通気工法にやりかえることになりました。
また立地条件がため池のすぐ側であったこともあり、24時間換気システムを導入し、トラブルは解決しました。
外壁を通気工法に変えただけで、室内の体感湿度がまるっきり違ったのには驚きました。それに加えて24時間換気が行われるわけですから、室内は快適そのものです。もちろんお客さまにも快適に過ごせるようになったと大変喜んでいただきました。
雨漏りの修理方法シーリング
シーリング材の寿命
幅10mmx深さ7mmの目地に充填したシーリング材の耐用年数は一般的に5~6年程度と言われています。つまり、シーリングで雨漏りを修理(補修)したとしても、シーリング材がすぐに寿命を迎えて破断すれば5~6年後には雨漏りが再発することになってしまいます。だからシーリング補修は雨漏り修理ではないのです。
また、耐用年数試験体の目地は、10mmx7mmの目地寸法においての試験データですから、三角シーリングや増し打ち、あるいはひび割れに刷り込んだ程度のシーリング工事では耐用年数がさらに短くなります。
シーリング材はホームセンターに行けば、1本400円~700円で誰でも購入できます。業者でなくてもお金さえ支払えば、誰でも購入できる建築資材なわけです。ホームセンターに行ってシーリング材を購入して、ひび割れ部や隙間にシーリング材を充填することは、プロの雨漏り修理業者でなくともできるわけです。
昨今のような高性能なシーリング材がまだ存在していなかった頃の建物は、部材のあいじゃくり構造などを利用した二重・三重の雨漏り対策が施されていました。
しかし、現在は比較的高性能なシーリング材が市場に登場したため、建物の雨漏り対策構造がより簡素化されつつあり、そのひとつの傾向として雨漏り対策をシーリング材に頼り過ぎているという問題があります。
シーリング材が寿命を迎えたために雨漏りしたのだから、古くなったシーリング材を撤去して新しく打ち替えれば良いという考え方は間違っています。そもそも建物の雨漏り対策をシーリング材だけに頼っていることが大きな間違いなのです。
雨漏り対策というのは、シーリング材の劣化部分から雨水が浸入したとしても、建物内部には浸入してこないようにすることです。部材のあいじゃくりや水切りの取り付けなど、何重もの知恵を絞って施すものです。
これは雨漏り修理(補修)においても同じことが言えます。
シーリング補修は雨漏り修理ではなく、雨漏りの応急処置なわけですから、この基本的な考え方を誤ると、これからも雨漏りする家が次々と建て続けられることになります。雨漏り修理(補修)とは『正しい雨漏り対策構造を持つ家』に直すことなのです。
台風時の雨漏り対策
雨漏りに対して、最も警戒しなければならない時期が台風の季節です。台風時には、通常の雨とは違い、強風に伴う横殴りの雨や下から吹き上げるような雨に建物がさらされてしまいますので、たいていの建物であれば少なからず雨漏りするか、雨水は浸入してしまいます。このような条件下でも雨水の浸入しない建物は、かなり気密性の高い建物と言えるでしょう。
例えば、新幹線です。新幹線の車両は台風でも雨漏りしません。何故だかわかりますか?答えは、窓が開かないからです。FIX窓であるから水密性(気密性)が高い=隙間がないのです。隙間がないということは、雨水の浸入口がないわけですから雨漏りのしようがありません。
かといって、住宅の窓をすべてFIXにするわけにはいきません。ですから雨戸があるわけです。
雨戸はデザイン上嫌われることが多いですが、雨戸の役割には、防犯対策、ガラスの割れ対策、そして雨漏り対策の三つがあります。これらのことから言えるのは、住宅にとってサッシは非常に弱いものであると言えると思います。
台風時の雨漏りトラブルで最も多いのがサッシの雨漏りです。つまり雨漏り対策として最も有効な手段は雨戸なのです。サッシの水密性は100%ではありません。大手メーカーも99%くらいだと言っています。つまりサッシは雨漏りする確率が少なからずはあるということです。
たまに、台風時の雨漏り対策のために雨戸を取り付けたのに、雨漏りしたというケースもあります。とくに古い木造家屋の場合は木製の雨戸があらかじめ作られた戸袋に納まるようになっており、その場合、戸袋の内側の外壁面は大工作業の工程上、アスファルトフェルトの施工やモルタル塗りが施工されておらず、コンパネのままになっていることが多いのです。そこへ吹き込んだ雨水は当然のことながら雨漏りしてしまいます。
また、アルミ製の雨戸やシャッターを取り付けているのにもかかわらず雨漏りするようなケースは、雨漏りの原因はサッシではなく、外壁にあることが多いのです。台風時の雨漏り対策は?と言えば、雨戸を取り付けることと答えますが、取り付け方や、外壁の雨漏り対策構造と同調させるように納めなければなりません。
最近は、後付けで施工でき、光や風を通す意匠性にも優れたアコーディオンタイプの雨戸もありますので、雨戸の良さが今後は見直されてくるのではないかと思います。
新築物件の雨漏り回避法 其の1
アスファルト防水(コンクリート押え工法)は、防水層を施工した上にコンクリートを流して防水層を保護する工法です。公共施設の防水工事では、屋上や大浴場、トイレ、ベランダなど、防水層の上にコンクリートを流し込む前には必ず水張り試験を行わなければならないと、国土交通省で定められています。
水張り試験がどういうものかというと、防水施工した高さまで水を溜めて、24時間後に水が減っていないかどうか水位と周辺、下階の状態をチェックする試験です。これで水が漏れるようなら上からコンクリートを流し込んでも漏れるというわけです。引渡し後に雨漏り大変ですから、必ずコンクリートを流しこむ前にチェックする必要があるわけです。
民間工事においては水張り試験をすることはほとんどありません。民間工事で水張り試験をする場合は現場監督が防水職人の技術を信用していないときぐらいです。
『防水施工が終わったら水張り試験を行うよ』と、現場監督に言われることを防水職人は嫌います。なぜなら、自分の仕事を信用してもらってないんだと受け止めるからです。
しかし公共工事であろうと民間工事であろうと、自主的に水張り試験を行うべきだと思います。
水張り試験で漏水が確認できた場合は、すぐに補修することができます。万が一、お引渡し後に雨漏りでもしたら大きな信用を失うことになります。
水張り試験の目的は防水層に問題があるかどうかをチェックすることです。防水職人の技術を信用しているかどうかの問題ではありませんので、必ず水張り試験を実施するようにしてください。
新築物件の雨漏り回避法 其の2
屋根や外壁にも散水試験を行うようにしてください
屋根の散水試験についてですが、ドーマー・煙突・谷樋・トップライトなどのように雨漏りしやすい部位がある場合は、仕上げ材を葺く前(下葺き材の施工が完了した時点)に散水試験を行ってください。
上棟が終われば直ちに屋根葺きを行うのが一般的です。しかし仕上げ材を葺く前(二次防水)の段階で散水試験を行い、漏水がないことを確認できれば、安心して仕上げ材を葺くことができます。
特にドーマー・煙突・谷樋・トップライトなど、雨漏りしやすい部位に集約して散水試験を行うべきだと思います。これは外壁においても同じです。二次防水である防水シートを張り終えた段階で、特にサッシ周りや貫通部周り、ベランダのスリット部などに集約して散水試験を行ってほしいと思います。
雨漏り対策は業者選びの段階から始まっています。
家を建てるときには散水試験をしてもらえるかどうか業者の方に必ず確認してください。
雨漏りが発覚してから散水試験を実施したのでは遅すぎます。 屋根にしても外壁にしても、仕上げる前に散水試験を行うべきです。 ジョリパッドを塗ってからでは遅いのです。カラーベストを葺いてしまってからでは遅いのです。もちろん品質管理をしっかりしている工務店さんは、これらの散水試験を自主的に行っています。
新築物件の雨漏り回避法 其の3
予算的にも工期的にも厳しい条件で家は建てられています。
しかし引渡しが済んだ後で雨漏りが発覚する方が失うものは大きいのです。
しかし引渡しが済んだ後で雨漏りが発覚する方が失うものは大きいのです。
散水試験は必須項目
散水試験を嫌う人が多いのですが、散水試験を実施するのに何日かかるというのでしょうか?いくら費用がかかるというのでしょうか?
屋根全面に散水試験をする必要はありません。24時間ずっと散水する必要もありません。水道代がもったいないのであれば、三日に一度は雨が降るという日本の気候をうまく利用すれば、屋根であれば自然に散水試験を行うことも可能なわけです。
二次防水層にピンポイントで散水試験を行うのであれば、15分~30分くらい散水すれば十分だと思います。私が幸運にも家を建てられる日が来たら、必ず工務店には二次防水が露出している時点で散水試験を行ってもらいます。それくらい気を使い手間をかけなければ雨漏りを未然に防ぐことはできません。
家が出来上がってしまう前に問題がないかどうかチェックすること。
目視による品質管理ではなく、物理的な散水試験を行うこと。
目視による品質管理ではなく、物理的な散水試験を行うこと。
工務店さんは是非散水試験を行って下さい。そしてこれから家を建てられる方は散水試験を行ってもらうように頼んでください。そしてもし時間が許されるならその場に立ち会ってください。
雨漏りするくらいなら、どんな労力も惜しむべきではありません。そのくらい、節度がない時代になっていると言えると思いますし、業者任せにしないで、気になるところは自分で指摘して業者にチェックをお願いしても良いと思います。
木造住宅ベランダの雨漏り対策
ベランダには新築時から構造の一部として設けられる防水モルタル仕上げベランダと、完成引渡し後にエクステリアとして後づけする後付けアルミベランダがあります。
ベランダは雨漏りしやすい?
双方とも雨漏りトラブルが多く、『住宅にベランダを設けると雨漏りするから辞めたほうが良い』とか、さらには『陸屋根構造にすれば雨漏りする』などという言い訳じみた噂が流れるほどです。
でも実際は、設計者が注文者の要望どおりベランダを設計しても施工者がきちんと施工できない、つまり、職人の技術を信用していないことから、ベランダの設計を嫌うことになるのです。これはハッキリ言って全くおかしな話です。
ベランダを用意されたら雨漏りしないようにきちんと防水施工をする。たとえそれが灰皿であってもです。それがプロの防水職人というものです。
それから、施工者や左官職人も誤って理解していることが多いのですが、俗に言う防水モルタル仕上げでベランダの防水をまかなっていると勘違いしている(セミ)プロが多いということです。
まれに、『ベランダの防水は設計に含まれていないのだから雨漏りして当然だ』と言い訳をする方もいますが、漏れて当然なら漏れないようにしてあげなければプロじゃないわけです。
たとえ設計や仕様に含まれていなかったとしても、VEで提案し、絶対に漏れないようにしておく責任があると思います。なぜなら一般の方はそんなことは知らないわけですから。
それから、木造住宅にベランダを作るのであれば下地はコンパネのはずです。コンパネの上にモルタルを流しただけで“防水”と言い切るのは無理があります。何故なら、モルタルやコンクリートは必ずひび割れる代物だからです。
モルタルやコンクリートは必ずひび割れる
モルタルやコンクリート乾燥収縮と熱収縮によってひび割れるものです。言い換えれば、まずモルタルが固まるときにギュッと凝縮され割れやすくなり、硬化後は太陽熱によって収縮を繰り返し、その影響でひび割れるのです。
これはプロなら知っていて当然の知識ですから、コンパネの上に防水モルタルを流しただけではいずれ問題が起こることは想定できるはずです。
ちなみに防水モルタルの耐用年数は5年程度です。遅くとも5年後には雨漏りする危険性が高いわけですが、雨漏りバスターとしては、5年は大丈夫ということではなく、モルタルやコンクリートの下に居室があるなら必ず防水施工をして欲しいと思います。
モルタルやコンクリートがひび割れても防水層が割れないようにする。防水層はひび割れに追従して雨水を通さないようにする。これが防水層の役割であり、木造住宅ベランダの雨漏り対策といえます。
雨漏りを未然に防ぐ
雨漏りトラブルを減らすために大切なのは、雨漏りを未然に防ぐことです。そのためには正しい建物構造の知識を持ち、確かな雨漏り対策を行えるよう、雨漏りトラブルに関する経験豊富な専門家が必要です。
もっとも、建築業界に【雨漏り対策コンサルタント】というような職業はなく、建物の雨漏り対策は、建材メーカーや防水職人、あるいは屋根職人などの知識に頼っている部分が大きく、その考え方や知識などにバラつきがあることは否めません。ここに雨漏りトラブルが発生する要因があるのです。
これからは、正しい知識を持つ者が総括してアドバイスできるような雨漏り対策の専門家が必要です。建物の雨漏り対策を担っている防水業者や屋根業者などの専門業者においても、建築士や建築施工管理技士などの建物構造に詳しい知識を有する国家資格有資格者が必要ということです。
雨漏りコンサルタントの必要性
設計やデザインは設計士に、オール電化は電化住宅アドバイザーに、雨漏り対策は雨漏り対策コンサルタントに、というようなことが建築業界で常識化するまでには、まだまだ時間がかかると思います。
設計士や工務店の現場監督が雨漏りバスターの知識を望んでくるかどうかというよりも、一般の方が直接訪ねて来られる方が現実性があると思うのです。
雨漏りの防御策
もはや『業者に任せていればすべて上手くいく』という時代ではありません。仕事として勉強している営業マンよりも、偏った知識を持っていない一般の方のほうが純朴で好奇心がありますし、人生最大の買い物に失敗したくないと思っているからこそ、徹底的に詳しく調べていると思います。
仕事を終えた営業マンは、家に帰れば仕事のことはもう忘れています。その間、一般の方はインターネットで、あるいは書籍や雑誌で、家に関する情報収集を怠らないわけですから差がついて当然といえます。いわば一般の方に負けないようにするためには、仕事外での努力が必要ということですね。
『これから新築を建てる』という方が、設計やデザインだけでなく、雨漏り対策にも興味を持つことが一番の雨漏り防御策といえるでしょう。
雨漏りしやすいポイント
どんな建物でも、雨漏りしやすいポイントというものがあります。要はそのポイントを抑えて対策を講じておけば、雨漏りする確立は低くなるのですが、雨漏り対策はひとたび建物が完成してしまえば表面上は見えなくなるものですから、見えなくなる部分にお金をかけることはしたくないというのが建築家や施主さんの心情でもあります。そして予算を削られて雨漏りが・・・。
といっても、雨漏り対策は必ずしも莫大な費用が必要というわけではありません。雨漏りの原因となりやすい部分に、少しだけ予算を追加するだけで雨漏りを未然に防ぐことができるのです。
雨漏り対策は建物の部分部分で、それぞれのコツとノウハウがあります。私はその基本的な雨漏り対策のノウハウを基にしながら、ひとつひとつの建物の雨漏り対策に、対話形式で向き合っていきたいと思います。それがこのサイトと雨漏りバスターの存在意義であると思っています。
陸屋根は雨漏りしやすいって本当?
陸屋根とは、勾配のないフラットな屋根のことを言います。
わずかに傾斜はありますが、勾配屋根に比べるとほとんど水平に近いことから陸屋根あるいはフラットルーフと呼ばれています。
わずかに傾斜はありますが、勾配屋根に比べるとほとんど水平に近いことから陸屋根あるいはフラットルーフと呼ばれています。
陸屋根と勾配屋根の相違点
陸屋根というのは、主にコンクリート造などのビルや集合住宅などに多く見られる屋根構造ですが、住宅デザインの洋風化・シンプル化にともない、一般の戸建て住宅などにも陸屋根構造が多く見られるようになってきました。
陸屋根は屋根構造がフラットに近いので、設備機器を設置したり、庭が設けられない場合や土地を有効活用するために屋上として利用できる利点があります。
屋上緑化システムで省エネ対策
また、昨今では地球温暖化抑止に貢献する屋上緑化システムを採用することで省エネを実現することもできる、未来都市型の屋根構造として注目されています。
しかし、陸屋根は傾斜が少ないため、勾配屋根に比べると多くの雨水を受け止めることになります。従って、雨水をどのように排出していくかについて事前にしっかりと検討し、万全な防水対策が必要になります。
せっかく屋上緑化を採用したものの雨漏りしてしまったら後の補修工事が余計に大変になります。あくまで、陸屋根構造として屋上を有効利用するのであれば、雨漏り対策が万全であることが条件なのです。
陸屋根と雨漏りの関係
『陸屋根構造を採用したら雨漏りするから勾配屋根がいい』とおっしゃる設計士さんがいらっしゃいます。一方では『土地を有効利用するために積極的に陸屋根を採用したい』とおっしゃる設計士さんもいらっしゃいます。果たしてどちらが正しいのでしょうか?
実は雨漏りトラブルが多いのは、陸屋根ではなく勾配屋根なんです。特に戸建て住宅は複雑な屋根形状をしている建物が多いので、直接屋根からは雨漏りしなくても、屋根と外壁の取り合う部分やトップライト・ドーマー・煙突周りなどから雨漏りするケースが多いのです。
“雨漏りしない家”を建てることは設計上重要な課題です。しかし、施主の要望を最大限受け入れて、限られた予算や立地条件の中で、便利で快適な家を建てることはもっと重要なのではないでしょうか。
サイディングの雨漏り対策
外壁がサイディング張り仕上げの構造は、本来雨漏り対策上優れている構造です。にもかかわらず、最も雨漏り相談が寄せられる外壁構造でもあります。そして原因を調べてみると、そのほとんどがサッシ周りの雨漏りトラブルです。
直張り工法と通気工法
ここでは、まずこれから家を建てられる幸運な方で、外壁にサイディング張り仕上げを選択される方のために、構造レベルでの雨漏り対策についてご説明します。
サイディング構造には直張り工法と通気工法があります。直張り工法の場合は、防水シートの上に直接サイディングを打ち付けるため、一旦雨水が浸入すれば、至る所で毛細管現象が起こりやすい条件となります。
さらに、直張り工法の場合、室内の湿気を逃げにくくなくなるので、内部結露の問題も併発させる危険性があります。10年ほど前から直張り工法が採用される物件は減ってきているようですが、建売り住宅や予算を削減せざるを得ない現場では現在でも採用されているところもあるようです。
通気工法は雨漏りしにくい?
これに対し、通気工法の場合はサイディングと防水シートの間に胴縁という木材を打ち、その上からサイディングを張ります。(最近では胴縁金物という優れた部材もあります)
そのためサイディングと防水シートの間に15~16mm程度の空気層ができるので、仮にサイディング目地のシーリングが切れて、サイディングの裏側に雨水が浸入したとしても、この空気層内部で雨水は下方、つまり土台水切りに向かって流れていくので、雨漏りする確立は極めて低くなります。サイディング同士の重ね部分は凹凸(あいじゃくり)になっており、細いゴムのような定型シーリング材が凹凸に挟まれて雨水の浸入を防ぐようになっています。
しかし、これはあくまで下地の精度が高い条件でシール性能が発揮できるもので、経年後にサイディングが湾曲したり、変形したりした場合は、特に台風のような横殴りの雨などでは、このあいじゃくり部分からも雨水は浸入してしまいます。
いわば、一次防水であるサイディング自体が経年劣化によって変形したり湾曲したりするのであれば、二次防水に頼る必要があるということですから、最も有利な二次防水層は空気層(空間)になるわけです。
雨漏り?内部結露?
山口県に私が担当した木造2x4外壁サイディング張りの住宅があります。室内の壁紙クロスにしみが出るので雨漏りだと思って悩んでいらっしゃいました。でも実際に調べてみると、雨漏りではなく内部結露でした。
内部結露の場合は、雨漏りのトラブルのように一部分に起こるトラブルではないので、結局サイディングを全部剥がして胴縁を打ち、外壁を通気工法にやりかえることになりました。
また立地条件がため池のすぐ側であったこともあり、24時間換気システムを導入し、トラブルは解決しました。
外壁を通気工法に変えただけで、室内の体感湿度がまるっきり違ったのには驚きました。それに加えて24時間換気が行われるわけですから、室内は快適そのものです。もちろんお客さまにも快適に過ごせるようになったと大変喜んでいただきました。
サイディングは通気工法を選ぶ
このように、外壁サイディングの通気工法は雨漏り対策上有利なだけでなく、室内環境を良くするためにももはや必要不可欠な構造であると言えます。
また、外壁を通気工法にすることで、土台や柱の腐朽、シロアリ繁殖の原因となる結露を防止し、断熱性能を高めます。木造住宅にとって天敵である水分や湿気対策に有効なので、結果的に建物の寿命を延ばすことにもなります。
この通気工法は、住宅の品質管理の促進等に関する法律で新設された「日本住宅性能表示基準」の「劣化対策等級」で、最高値である等級3を確保するための一つの条件となっています。
サイディングの雨漏り対策は、ズバリ通気工法を選択すること。構造だけで雨漏り対策になる通気工法はまさに理想的です。シーリング材で強制的に雨水の浸入を防ぐような対策よりはるかに優れています。
外壁サイディング通気工法はまさに、最強の雨漏り対策構造と言えます。
そして木造住宅の寿命を延ばしてくれるわけですから、少々費用がかかったとして通気工法を選択しない理由はないでしょう。
木造軸組み工法
日本の住宅のおよそ75%は木造住宅です。そのうちの66%は木造軸組み工法(木造在来工法)で、2x4がそのうちの9%と言われています。
木造住宅は雨漏りしやすい?
まさに木造住宅は日本の住宅を代表する建物構造と言えます。
さらに、お寄せいただく雨漏り相談のおよそ90%が、戸建ての木造住宅の雨漏りなのです。雨漏りの原因究明は誰にでもできることではなく難易度が高いのであれば、それは木造住宅のような複雑な構造に起きる問題だからではないでしょうか。
木造軸組工法の構造
国内で頻発している雨漏りトラブルは木造住宅に集中していることから、雨漏り原因を究明するためには、木造住宅の構造知識が必要であると言えます。ここでは、日本の住宅の中でも最も普及率の高い、木造軸組工法の構造を学んで頂こうと思います。あなたの住まいの雨漏りはどこに原因があるのでしょうか?雨水は建物のどこから浸入して、どのような経路で雨漏りしているのでしょうか?
考えてみてください。
雨漏り相談掲示版
建築構造と雨漏り
雨漏りしやすい個所
雨漏り原因の調査・検査
雨漏りの二次被害
間違い探し 解答編
